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2026 年 10 月、当社 esolab.co.jp を WordPress から Astro ベースの CMS に作り直しました。この記事では、なぜ移行したのか、どうやって URL を 1 つも変えずに移行したのか、移行前後で何がどれだけ速くなったのかを、実際の数値とともにまとめます。
WordPress で運用しているサイトの速度や保守に悩んでいる方、「作り直したいが検索順位を落としたくない」という方の参考になれば幸いです。
なぜ移行したのか
旧サイトは WordPress にテーマとプラグインを組み合わせたものでした。公開から数年たち、次の課題が出ていました。
- 表示が重い: トップページを開くと 50 以上のファイルを読み込み、スマートフォンでは数秒待たされる
- 外部スクリプトが多い: 計測やプラグインが差し込むスクリプトが 5 つあり、どれが必要か把握しづらい
- 保守の負担: WordPress 本体・テーマ・プラグインの更新とセキュリティ対応が毎月発生する
- PHP 7 系と古いプラグイン: サーバーの PHP を上げるとプラグインが動かなくなる状態で、更新が止まっていた
移行先の構成
移行先には EmDash という Astro ベースの CMS を選びました。構成は次のとおりです。
- フレームワーク: Astro 7(ページは HTML として生成し、必要な部分だけ JavaScript を使う)
- CMS: EmDash 1.3(管理画面・記事の執筆者(Bylines)・フォーム・SEO の機能を持つ)
- データベース: SQLite(サーバー 1 台で完結し、バックアップはファイルをコピーするだけ)
- サーバー: Xserver VPS(Ubuntu)上の Node.js。検証環境と本番を同じサーバーで分けて動かす
- デプロイ: GitHub にプッシュすると自動でビルド・転送し、動作確認のうえ切り替え。失敗したら前の版に自動で戻る
WordPress を否定するわけではありません。更新頻度が高いメディアや、プラグインで実現したい機能が多いサイトでは今も有力な選択肢です。当社の場合は「更新するのは社内だけ」「ページの種類が決まっている」「速度と保守の軽さを優先したい」という条件だったので、この構成が合っていました。
URL を 1 つも変えないために行ったこと
リニューアルで検索順位を落とす最大の原因は URL の変更です。今回は旧サイトの 274 の URL(固定ページ、メディア記事 183 本、ニュース、制作実績、カテゴリー、著者ページ、添付ファイルの URL まで)をすべて引き継ぎました。
- 旧サイトの URL を全部書き出す: サイトマップと WordPress の REST API から、公開されている URL を一覧にしました
- URL の規則を CMS 側で再現する: たとえばメディア記事は
/カテゴリー/記事ID/、ニュースは/info/カテゴリー/記事ID/という規則だったので、新しい CMS のルーティングを同じ規則に合わせました - 廃止するページは 301 リダイレクト: 資料ダウンロードのように廃止したページは、関連するページへ 301(恒久的な転送)を設定しました。著者ページの旧 URL 3 件も新しい著者ページに転送しています
- 公開前に全 URL を自動で確認する: 274 件の URL に対して「200 で表示される」「301 で正しい先に転送される」を確認するスクリプトを作り、内容を変えるたびに実行しています
この 4 番目が重要です。手作業の確認は必ず漏れます。一覧と期待する結果をファイルにしておき、機械的に確認する仕組みを作ると、リニューアル後の「あのページが消えている」をなくせます。
移行前後の計測結果
スマートフォン相当の環境(画面幅 390px)で、旧サイトと新サイトを同じ条件で簡易計測しました(2026 年 10 月。回線や時間帯で変わるため、傾向の参考としてご覧ください)。
トップページ
- 読み込むファイル数: 58 → 12
- 通信量: 約 4.9MB → 約 1.7MB(約 3 分の 1)
- 読み込み完了までの時間: 約 8.5 秒 → 約 3.1 秒
- 外部のスクリプト: 5 → 0(計測タグは本番だけに出すようにし、不要なものは外しました)
サービスページ(WEB 制作)
- 読み込むファイル数: 34 → 15
- 通信量: 約 1.3MB → 約 0.35MB(約 4 分の 1)
- 読み込み完了までの時間: 約 4.1 秒 → 約 2.4 秒
ページの文章量や画像の点数は変えていません。画像を適切なサイズと形式で出し分け、JavaScript を必要な部分だけに絞ると、これだけ差が出ます。
移行で引き継いだもの
速度だけでなく、運用に必要なものも落とさずに引き継ぎました。
- 記事の本文・画像: WordPress のエクスポートデータを CMS の形式に変換し、ショートコードや古い埋め込みは個別に直しました
- 人気記事ランキング: 旧サイトの閲覧数を引き継ぎ、新サイトでも計測を続けています
- お問い合わせフォーム: 入力 → 確認 → 完了の流れをそのまま再現し、自動返信メールを追加しました
- 計測: Google アナリティクス(GA4)と Search Console をそのまま引き継ぎ、フォーム送信完了をコンバージョンとして計測するようにしました
- 構造化データ・サイトマップ・llms.txt: 検索エンジンと AI 向けの情報もあわせて整備しました
ハマった点
- デプロイ中に一瞬サイトが落ちる: 最初は動いているファイルを直接上書きしていたため、転送中に 500 エラーが出ました。版ごとに別のフォルダへ置いてから切り替える方式に変え、ゼロダウンタイムで更新できるようにしました
- 著者ページの重複: WordPress では同じ人が複数のユーザー名で記事を書いていたため、著者を 1 人に統合してから旧 URL を転送しました
- アニメーションと表示の両立: 見た目を豊かにしつつ速度を落とさないよう、JavaScript を使わずに CSS だけで動く範囲に絞りました
まとめ
WordPress から Astro ベースの CMS への移行で、通信量を約 3 分の 1、読み込み時間を半分以下にできました。ポイントは「URL を変えない」「全 URL を自動で確認する」「必要なものだけ読み込む」の 3 つです。
株式会社Esolab では、WordPress のリニューアルや高速化、別の CMS への移行のご相談も受けています。大阪市中央区の WEB 制作会社として、WEB 制作からシステム開発まで一貫して対応しますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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